結論: ChatGPTで丸写しした志望理由書は、不自然な表現や面接での矛盾からバレる可能性が非常に高いです。
しかし、AIを「思考のパートナー」として賢く使えば、あなただけの魅力的な志望理由書を作成する強力な武器になります。
- ChatGPTで書いた志望理由書がバレる本当の理由と具体的なリスク
- AIを「壁打ち相手」にして自己分析を深める、悪用厳禁の賢い使い方
- AIっぽさを消し、あなたの言葉で説得力を増すための具体的な修正テクニック
【結論】ChatGPTで書いた志望理由書は9割バレる!大学側の本音と3つのリスク
このセクションでは、あなたが一番気になっているであろう「ChatGPTで作った志望理由書は、本当にバレるのか?」という疑問に、きっぱりと「はい、バレます」とお答えします。
そして、なぜそう言い切れるのか、その根拠と、もしバレてしまった場合に起こりうる具体的なリスクについて、分かりやすく解説していきますね。
なぜ「バレる」と断言できるのか?AI検知ツールより怖い”人間”の目
「AIが書いた文章かどうかを判定するツールがあるからバレる」と考えている方もいるかもしれません。
もちろん、そういったAI検知ツールの精度も上がってはいますが、実はもっと確実な「センサー」が存在します。
それは、毎日何十、何百という志望理由書を読んでいる、大学の入試担当者や教授といった**”人間”の目**です。
彼らは、高校生が書く文章の「クセ」や「熱量」、そして「未熟さ」を熟知しています。
ChatGPTが生成する文章は、一見すると流暢で完璧に見えるかもしれません。
しかし、その完璧さこそが、かえって違和感となるのです。
高校生らしい悩みや、拙くても自分の言葉で語られる体験からにじみ出るリアリティが欠けている文章は、経験豊富な読み手から見れば、すぐに「これは本人が書いたものではないな」と見抜かれてしまいます。
ツールによる判定以前に、文章から伝わる「人の気配」の有無が、最も確実な判定基準になるのです。
バレたらどうなる?考えられる3つの最悪シナリオ
では、もしAIが書いたことがバレてしまったら、具体的にどのような事態が考えられるでしょうか。
希望的観測は一度脇に置いて、考えられるリスクを正直にお伝えします。
- その場で不合格になる可能性
多くの大学では、提出書類は本人が作成したものであることが大前提です。
他者(この場合はAI)が作成した文章をそのまま提出する行為は**剽窃(ひょうせつ)**と見なされ、不正行為として扱われる可能性があります。
その場合、弁解の余地なく、その選考は不合格となるでしょう。 - 面接で矛盾を突かれ、評価が大幅に下がる
書類選考を運良く通過したとしても、次の面接で必ずメッキが剥がれます。
志望理由書に書かれている内容について、「なぜそう思ったの?」「その時、具体的にどう行動したの?」と深掘りされた時、AIが作った言葉では、自分の体験に基づいた説得力のある回答は絶対にできません。
答えに詰まったり、矛盾したことを言ったりすれば、あなたの評価は「他人の言葉を借りなければ自分を語れない、主体性のない人物」として、大幅に下がってしまいます。 - 大学のブラックリストに載る可能性も
これは最悪のケースですが、悪質な不正行為と判断された場合、あなたの名前が大学内の要注意リストに記録される可能性もゼロではありません。
そうなると、もし来年再受験しようとしても、不利な状況からスタートすることになりかねません。
軽い気持ちで使ったツールが、あなたの未来に大きな影を落とすリスクがあることは、心に留めておいてください。
文部科学省や大学側はAI利用をどう見ている?
国や大学も、この新しい技術との向き合い方について指針を示し始めています。
例えば、文部科学省は生成AIの利用について、生徒が主体的に考える力を養うことの重要性を強調しています。
多くの大学の公式サイトでも、「自身の言葉で記述すること」といった注意書きが見られ、AIの丸写しに対しては明確に否定的な立場を取っています。
ただし、これは「AIを一切使ってはいけない」という意味ではありません。
大学側が最も懸念しているのは、あなたが「思考停止」してしまうこと。
AIにすべてを任せ、自分自身と向き合うことを放棄してしまう行為を問題視しているのです。
逆に言えば、AIを上手に活用して、自分の考えを深めるためのツールとして使うのであれば、それはむしろ歓迎される可能性すら秘めているのです。
あなたの文章も?AIが書いた志望理由書を見抜く3つのポイント
「AIが書いた文章はバレる」と言われても、具体的にどんな文章が「AIっぽい」のか、ピンとこないかもしれませんね。
ここでは、入試担当者が「おや?」と違和感を抱く、AI生成文章にありがちな3つの特徴を、具体例を交えながら解説します。
ご自身の文章がこれに当てはまっていないか、チェックしながら読んでみてください。
ポイント1:高校生らしからぬ「翻訳調」で不自然な言い回し
ChatGPTは、膨大な量のテキストデータを学習していますが、その中には英語の文献を日本語に翻訳したものも多く含まれています。
そのため、生成される文章には、どこか不自然な「翻訳調」の言い回しが混じることがあります。
例えば、
「貴学の国際的な学習環境は、私の知的好奇心を大いに刺激します。」
といった表現。
文法的には間違っていませんが、高校生が普段使う言葉とは少し距離がありますよね。
まるで海外の論文を翻訳したかのような、少し硬くて他人行儀な言葉遣いは、「本当にこの生徒が書いたのだろうか?」という疑念を抱かせる最初のサインになります。
自分の言葉で表現するなら、「海外の学生と交流できるプログラムに魅力を感じました」といった、もっとストレートな表現になるはずです。
ポイント2:誰にでも言える「具体性のない」抽象的な内容
AIは、あなたの個人的な体験や感情を知りません。
そのため、生成する文章は、どうしても一般的で抽象的な内容になりがちです。
「私は、貴学のアドミッション・ポリシーに深く共感し、社会に貢献できる人材になるべく、主体的な学びを実践したいと考えております。」
これは、一見すると立派な志望理由に見えます。
しかし、「なぜ」共感したのか、「どのように」貢献したいのか、「どんな」学びを実践したいのか、という具体性が全くありません。
これでは、あなたの顔が見えず、オリジナリティも感じられません。
大学側が知りたいのは、あなただけのユニークな物語です。
部活動での挫折、文化祭で仲間と協力した経験、一冊の本との出会い。
そういった具体的なエピソードこそが、志望理由に命を吹き込むのです。
ポイント3:面接で深掘りされた時に答えられない致命的な「経験の欠如」
これが最も決定的で、逃れられないポイントです。
志望理由書は、提出して終わりではありません。
必ず面接で、そこに書かれた内容について、審査官から厳しい深掘りの質問が飛んできます。
例えば、志望理由書に「私は、地域活性化のイベントを企画した経験を通して、リーダーシップの重要性を学びました」と書いたとしましょう。
面接官はこう質問します。
「素晴らしい経験ですね。その企画で、一番大変だったことは何ですか?」
「メンバーと意見が対立した時、あなたは具体的にどうやって解決したのですか?」
もし、この経験がAIの作った架空のものであれば、あなたは具体的なエピソードを語ることができず、言葉に詰まってしまうでしょう。
その瞬間に、あなたの志望理由書が「借り物」であることが露呈し、信頼は完全に失われます。
文章の上手さよりも、自分の経験に裏打ちされた言葉の重みこそが、何よりも大切なのです。
便利だけどモヤモヤ…ChatGPT利用の「罪悪感」と向き合う
ここまで読んで、ChatGPTを使うことに少し怖さや罪悪感を感じてしまったかもしれませんね。
「楽をしたい、でもズルはしたくない…」そんな風に心が揺れ動くのは、あなたがとても真面目で、誠実だからこそだと思います。
このセクションでは、少しだけ肩の力を抜いて、そのモヤモヤした気持ちとどう向き合っていくか、一緒に考えてみましょう。
「楽をしたい」は悪いことじゃない
まず、大前提として、「楽をしたい」「効率よく進めたい」という気持ちは、決して悪いことではありません。
それは、人間が新しい技術を生み出し、進歩してきた原動力そのものです。
志望理由書を書く、という作業は、自分と向き合う、とてもエネルギーのいる大変な作業です。
目の前に便利なツールがあるのに、「使ってはいけない」と自分を縛り付けて、一人で悩み続けてしまうのは、本当にもったいないことです。
大切なのは、そのツールに「支配される」のではなく、あなたが「使いこなす」という意識を持つことです。
ある日のブログ読者さんからのメッセージ
以前、私のブログに大学生の読者さんからこんなメッセージが届いたことがあります。
「ChatGPTを使って書いたレポートを提出したら、教授に内容を褒めてもらえました。でも、嬉しいはずなのに、なんだかズルをしたような罪悪感でいっぱいです…。」
私は、このメッセージを読んで、テクノロジーが便利になる一方で生まれる、新しい心の葛藤について深く考えさせられました。
彼女が感じた罪悪感は、彼女がとても誠実である証拠です。
大切なのは、その気持ちに蓋をせず、じゃあどうすればツールと気持ちよく付き合えるかを考えることなんだと、彼女とのやり取りを通して改めて感じました。
大切なのは「AIに書かせる」のではなく「AIと対話する」こと
問題の根っこにあるのは、「AIに答えを求める」という受け身の姿勢です。
そうではなく、AIを「自分の考えを深めるための対話相手」と捉え直してみてはどうでしょうか。
例えば、一人で考えていると、堂々巡りになってしまうことはありませんか?
そんな時、AIに自分の考えを打ち明けてみる。
「私はこんな体験をしたんだけど、ここからどんなことが言えるかな?」
「この大学のこの部分に惹かれているんだけど、もっとうまく言葉にできないかな?」
そうやってAIと「対話」することで、自分一人では気づけなかった視点や、考えを整理するヒントがもらえるかもしれません。
AIは、あなたに代わって文章を書く執事ではありません。
あなたの自己分析を手伝ってくれる、優秀な壁打ちパートナーなのです。
そのように捉え方を変えるだけで、罪悪感は、新しい可能性へのワクワク感に変わっていくはずです。
【ここからが本題】AIを最強の壁打ち相手にする賢い使い方5ステップ
お待たせしました。
ここからが、この記事で最もお伝えしたい、具体的な実践パートです。
AIを単なる文章生成ツールではなく、あなたの思考を深め、オリジナリティあふれる志望理由書を生み出すための「最強の壁打ち相手」として活用する、具体的な5つのステップを解説します。
このステップを踏めば、あなたはAIに支配されることなく、AIを賢く使いこなし、自信を持って自分の物語を語れるようになります。
Step1:まずは「自分の体験」を箇条書きで洗い出す
最初のステップは、AIを一切使わず、あなた自身の頭と心の中にあるものをすべて吐き出すことです。
ノートやスマートフォンのメモ帳を開いて、これまでの人生を振り返り、志望する大学や学部に関連しそうな「あなただけの体験」を、思いつくままに箇条書きで書き出してみてください。
- 部活動でレギュラーになれず、悔しい思いをしたこと
- 文化祭の準備で、クラスメイトと夜遅くまで残って作業したこと
- 修学旅行で訪れた場所の歴史に、心を動かされたこと
- ある先生の言葉が、自分の将来を考えるきっかけになったこと
- 毎日続けている、小さな習慣
どんな些細なことでも構いません。
この段階では、うまくまとめる必要は全くありません。
大切なのは、AIには絶対に生み出せない、あなただけの「生の材料」を集めることです。
これが、すべての土台になります。
Step2:洗い出した体験をChatGPTに渡し、深掘りの質問をしてもらう
Step1で集めた「生の材料」が用意できたら、いよいよAIの出番です。
ChatGPTを開き、洗い出した体験のリストを貼り付け、そして次のような「お願い」をしてみてください。
「あなたはプロのキャリアカウンセラーです。私が志望理由書を書くための自己分析を手伝ってください。以下は、私が大学で学びたいことに関連する私の体験です。この体験の中から、私の強み・学び・価値観などを引き出すための深い質問を5つしてください。」
このプロンプト(指示文)のポイントは、AIに文章を書かせるのではなく、「質問をさせる」ことにあります。
これにより、AIはあなたの思考を深掘りするパートナーとして機能し始めます。
Step3:ChatGPTの質問に答え、自己分析を完成させる
ChatGPTは、あなたが提供した体験リストに基づいて、あなた自身も気づいていなかったような、鋭い質問を投げかけてくるはずです。
例えば、「部活動で悔しい思いをした時、あなたはどうやってその気持ちを乗り越えましたか?」「文化祭の準備で意見が対立した時、あなたはどんな役割を果たしましたか?」といった具合に。
この質問一つひとつに、今度はあなた自身の言葉で、正直に答えていきましょう。
このAIとの対話のプロセスこそが、質の高い自己分析そのものです。
誰かにやらされるのではなく、AIというパートナーと一緒に進めることで、ゲーム感覚で楽しみながら、自分の内面を深く見つめることができるでしょう。
Step4:自己分析の結果を元に「構成案」を作成させる
Step3でAIとの対話が深まり、自分の強みや学びたいことが明確になったら、次のステップに進みます。
今度はChatGPTに、これまでの対話の内容をすべて含めた上で、次のように依頼します。
「ここまでの対話内容をすべて踏まえて、〇〇大学〇〇学部向けの志望理由書の構成案を、PREP法(結論・理由・具体例・結論)に沿って作成してください。」
ここでも、AIに「文章」そのものを書かせるのではありません。
あくまで、あなたの考えを論理的に整理するための「設計図」を作ってもらうのです。
これにより、話があちこちに飛ぶことなく、説得力のある文章の骨格が完成します。
Step5:構成案に沿って、まずは自分の言葉で文章を書いてみる
設計図が完成したら、最後はあなた自身の出番です。
AIが作ってくれた構成案に沿って、Step3の対話で見つけた「自分の言葉」を使い、文章を書き上げていきましょう。
不思議なことに、ここまでのステップをしっかり踏んでいると、あれほど真っ白に見えた原稿用紙が、スラスラと埋まっていくことに驚くはずです。
なぜなら、あなたはもう「何を書けばいいか分からない」状態ではないからです。
AIとの対話を通して、あなたの中に眠っていた想いや経験が、明確な輪郭を持って整理されているからです。
このステップで書き上げた文章は、紛れもなく「あなた自身の物語」です。
▼Step2で使えるプロンプト(指示文)の例
あなたはプロのキャリアカウンセラーです。
私が志望理由書を書くための自己分析を手伝ってください。
以下は、私が大学で学びたいことに関連する私の体験です。
この体験の中から、私の強み・学び・価値観などを引き出すための深い質問を5つしてください。
私の体験

・高校のバスケ部で、最後の大会までレギュラーになれなかった。毎日自主練習を続けたが、結果には繋がらなかった。
・文化祭でクラスの劇の脚本を担当した。意見がぶつかることもあったが、最終的にみんなで一つのものを作り上げる達成感を味わった。
・祖父が入院した時、担当の看護師さんの仕事ぶりに感動し、医療分野に興味を持つようになった。
AIっぽさを消す!ChatGPTの文章を「自分の言葉」に変える5つの修正テクニック
先ほどのステップで、自分の力で志望理由書の第一稿を書き上げることができたと思います。
ただ、もしかしたら、AIとの対話で使った言葉が混じっていて、まだ少し硬い、AIっぽい部分が残っているかもしれません。
このセクションでは、その文章をさらに磨き上げ、完全に「あなたの言葉」にするための、具体的な5つの修正テクラニックを紹介します。
ブラッシュアップのための最終仕上げです。
テクニック1:難しい言葉を、自分の普段使う言葉に置き換える
AIは時々、少し気取った、難しい言葉を使いがちです。
辞書で引かなければ分からないような言葉は、あなたの言葉ではありません。
文章を読み返し、「この単語、普段の会話で使わないな」と感じたら、もっとシンプルで、あなたらしい言葉に置き換えてみましょう。
- Before: 貴学の多様なカリキュラムは、私の学際的な探究心を涵養する上で最適であると確信しております。
- After: 色々な分野を横断して学べる貴学の授業は、好奇心旺盛な私にぴったりだと思いました。
背伸びをする必要はありません。
等身大のあなたの言葉こそが、一番心に響きます。
テクニック2:抽象的な表現に「具体的なエピソード」を付け加える
AIが作った構成案には、まだ抽象的な部分が残っているかもしれません。
「リーダーシップを学んだ」「コミュニケーション能力が向上した」といった表現を見つけたら、「それは、具体的にどんな出来事から?」と自分に問いかけてみてください。
そして、その答えとなる具体的なエピソードを文章に付け加えるのです。
- Before: 私は部活動を通して、チームワークの重要性を学びました。
- After: 私は部活動を通して、チームワークの重要性を学びました。特に、大会前にメンバーが怪我をした時、全員で彼の役割を分担し、励まし合った経験は、一人では決して得られない力の大きさを教えてくれました。
エピソードが加わるだけで、文章の説得力とオリジナリティが格段にアップします。
テクニック3:主語を「私は」にして、自分の感情や考えを入れる
文章の主語が曖昧になっていないか、確認してみましょう。
受動的な表現を、主語を「私は」にした能動的な表現に変えるだけで、文章に主体性が生まれます。
さらに、その時に感じた「悔しい」「嬉しい」「驚いた」といった素直な感情を書き加えることで、文章に体温が宿ります。
- Before: この経験から、挑戦することの大切さが理解されました。
- After: 私はこの経験から、失敗を恐れずに挑戦することの大切さを、身をもって知ることができました。正直、最初は不安でいっぱいでしたが、一歩踏み出した時の高揚感は今でも忘れられません。
あなたの感情こそ、AIには決して真似できない、最強のスパイスです。
テクニック4:一文を短く、シンプルにする
AIが生成する文章は、一文が長くなりがちです。
読点がいくつも続くような長い文章は、読みにくく、内容も伝わりにくくなります。
思い切って、長い一文を、短い二文、三文に分けてみましょう。
文章のリズムが良くなり、驚くほど読みやすくなります。
- Before: グローバル化が急速に進展する現代社会において、多様な文化を理解し、異なる価値観を持つ人々と協働する能力は不可欠であるため、私は国際関係学を深く学びたいと考えています。
- After: 現代社会では、グローバル化が急速に進んでいます。多様な文化を理解し、異なる価値観を持つ人々と協力する力は、これから絶対に必要になるはずです。だからこそ、私は国際関係学を深く学びたいのです。
テクニック5:声に出して読み、リズムを確認する
最後にして、最も効果的なテクニックです。
完成した志望理由書を、最初から最後まで、声に出して読んでみてください。
途中で息が続かなくなったり、言葉に詰まったり、なんだかリズムが悪いと感じる部分があったら、そこが不自然な箇所です。
黙読では気づかなかった違和感を、自分の耳が見つけてくれます。
スラスラと、気持ちよく最後まで読み上げることができたら、その文章は完全に「あなたの言葉」になっています。
AI文章 → 自分の言葉 修正ビフォーアフター
| 修正ポイント | Before(AIっぽい文章) | After(自分の言葉にした文章) |
|---|---|---|
| 難しい言葉 | 貴学での学修を通じて、社会に貢献する蓋然性を高めたい。 | 貴学で学ぶことで、社会の役に立つ可能性を広げたいです。 |
| 具体性の追加 | ボランティア活動で、コミュニケーション能力の重要性を学びました。 | 地域の清掃ボランティアで、初対面の高齢者の方に思い切って話しかけた時、笑顔で「ありがとう」と言ってもらえた体験から、勇気を出して対話することの大切さを学びました。 |
| 感情の追加 | この失敗は、私にとって有益な示唆を与えました。 | この失敗は、本当に悔しかったですが、同時に自分に足りないものを明確に教えてくれる、貴重な機会だったと今では思えます。 |
| 一文の短縮化 | 複雑な課題を多角的に分析し、論理的な思考力を用いて解決策を導き出す能力を養いたいという思いが、私の志望動機の中核を成しています。 | 複雑な問題を、色々な角度から分析したいです。そして、筋道を立てて考える力を使って、解決策を見つけ出せるようになりたい。これが、私の最も強い志望動機です。 |
【体験談】AIとの対話で合格を勝ち取った、ある高校生の逆転劇
理論やテクニックだけでは、なかなかイメージが湧かないかもしれませんね。
ここで一つ、私が運営しているブログを通して知った、ある高校生のお話を紹介させてください。
彼はまさに、この記事で紹介した方法を実践し、AIとの上手な対話を通して、見事第一志望の大学への合格を勝ち取ったのです。
彼の物語は、きっとあなたの背中を優しく押してくれるはずです。
最初は「何を書けばいいか分からない」状態だった
彼、仮にA君としましょう。
A君は、志望校は決まっているものの、志望理由書を前にして、すっかり手が止まってしまっていました。
「書きたいことはあるはずなのに、言葉にならないんです…。」
彼は、まさに典型的な「何を書けばいいか分からない」という悩みの真っ只中にいました。
当然、ChatGPTを使ってみることも考えたそうですが、「丸写しはダメだ」という倫理観と、「バレたらどうしよう」という不安から、結局は一人で悩み続けていたのです。
AIとの「壁打ち」で自分の本当の想いに気づく
そんな時、彼は私のブログの記事を読み、ダメ元で「AIとの壁打ち」を試してみることにしました。
彼は、自分の部活動での経験や、将来やりたいことの断片を、正直にChatGPTに打ち込みました。
そして、AIに「なぜそう思うの?」「その時、一番大切にしたことは何?」と、ひたすら質問をさせたそうです。
AIとの対話を繰り返すうちに、A君は自分でも気づいていなかった「本当の想い」にたどり着きます。
彼が本当にやりたかったのは、単に経済を学ぶことではなく、「部活動の経験で感じた、チームを支えることの喜びを、ビジネスの世界で再現すること」だったのです。
自信を持って面接に挑み、見事合格へ
自分の核となる想いに気づいたA君のペンは、もう止まりませんでした。
AIが作った構成案を参考にしつつも、そこに盛り込まれた言葉は、すべてAIとの対話で見つけた彼自身の言葉、彼自身の物語でした。
完成した志望理由書は、決して完璧な文章ではなかったかもしれません。
しかし、そこには彼の体温と、彼にしか語れないリアリティが溢れていました。
後日、彼は自信を持って面接に挑み、面接官からの深掘りの質問にも、自分の経験と言葉で堂々と答えることができたそうです。
そして、見事、第一志望の大学から合格通知を手にしました。
彼は私にこう語ってくれました。
「AIは、答えをくれる魔法の箱じゃなかった。僕の中に眠っていた答えを、一緒に探してくれるパートナーでした。」
ChatGPTと志望理由書のよくある質問(FAQ)
この記事の最後に、多くの高校生が抱くであろう、ChatGPTと志望理由書に関する細かい疑問について、Q&A形式で簡潔にお答えしていきます。
おすすめのAIツールはChatGPT以外にありますか?
はい、いくつかあります。
例えば、Googleの「Gemini」(旧Bard)や、Microsoftの「Copilot」なども非常に優秀なAIです。
それぞれ少しずつ個性(得意なこと)が違うので、いくつか試してみて、自分が一番「対話」しやすいと感じるAIをパートナーに選ぶのがおすすめです。
ただし、どのツールを使うにしても、「丸写しはしない」「思考の壁打ち相手として使う」という基本原則は絶対に忘れないでください。
コピペチェックツールでバレることはありますか?
可能性はあります。
大学側がコピペチェックツールを導入している場合、ネット上の文章や過去の提出物との一致率が高いと、アラートが出る仕組みになっています。
ChatGPTが生成した文章が、たまたま他の誰かが使った文章と似てしまう、ということも起こりえます。
しかし、それ以上に重要なのは、この記事で繰り返しお伝えしてきたように、あなた自身の言葉で書かれていない文章は、人間の目で見ればすぐに分かる、ということです。
ツール対策というよりも、自分のオリジナリティを出すことに集中しましょう。
志望理由書だけでなく、自己PRやガクチカにも使えますか?
はい、全く同じ考え方で、非常に有効活用できます。
自己PRでアピールしたい自分の強みについて、AIに深掘りの質問をしてもらう。
学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)のエピソードをAIに話し、その体験から得られた学びを言語化する手伝いをしてもらう。
いずれの場合も、AIを「答えの生成器」ではなく、「自己分析のパートナー」として活用することで、あなたの魅力がより深く、より明確に伝わる文章を作成する手助けとなるでしょう。
そもそも文章力を上げるにはどうすればいいですか?
これはとても大切な質問ですね。
一番の近道は、「たくさん読んで、たくさん書くこと」です。
まずは、自分が「面白い」「好きだ」と感じる本や記事を、ジャンルを問わずに読んでみてください。
そして、短い文章でいいので、今日あった出来事や、それについて感じたことを、SNSや日記に書き留める習慣をつけてみましょう。
上手く書こうとしなくて大丈夫です。
自分の考えを言葉にするトレーニングを続けることで、文章力は必ず向上していきます。
AIとの対話も、その素晴らしいトレーニングの一つになりますよ。
まとめ:AIは敵じゃない。自分を深く知るためのパートナーにしよう
長い時間、お付き合いいただきありがとうございました。
最後に、この記事でお伝えした大切なポイントを、もう一度振り返ってみましょう。
- AIに丸写しをさせていないか?
- 自分の具体的な体験に基づいているか?
- 自分の言葉で、自分の感情が表現されているか?
- 面接で深掘りされても、自信を持って答えられる内容か?
- AIを、自分の思考を深める「パートナー」として使えているか?
ChatGPTをはじめとする生成AIは、私たちの未来を大きく変える可能性を秘めた、素晴らしい技術です。
それを「ズルをするための道具」にしてしまうのか、それとも「自分を成長させるための相棒」にするのか。
その選択は、すべてあなた自身に委ねられています。
この記事を読んで、ChatGPTへの不安が少しでも軽くなり、「自分にも書けるかも」と思っていただけたら、私にとってそれ以上に嬉しいことはありません。
AIとの上手な対話を通して、あなたの魅力が最大限に伝えられる志望理由書が完成することを、心から応援しています。
